国語
2018年08月20日

蝙蝠(こうもり)はなぜ虫偏?

 “蝙蝠”という漢字を見てすぐに「コウモリ!」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。この字、よーく見てみると2つとも虫偏の漢字です。
 「あれっ?コウモリって虫の仲間だっけ?」
 いえいえ!コウモリは実は哺乳類。つまり犬や牛や人間と同じ仲間なのです。
 ではなぜコウモリは虫偏の蝙蝠なのでしょうか?

 

 そもそも、漢字というのは古代の中国で作られた文字で、5世紀の初頭に日本に伝来したといわれています。なので、ほとんどの漢字は中国で作られ、この蝙蝠も例外ではないのです。

 蝙蝠という漢字がいつの時代にできたものか、はっきりとはわかりませんが、動物の分類法か確立されるよりは遥か昔なのは確かです。

古代中国人が虫偏を使うかの判断基準は、今の日本人の思ういわゆる“虫(昆虫)”とは全く違っていたようです。たとえば「蛙(カエル)」や「蛸(タコ)」 にも虫偏が使われているように、明らかに鳥や魚や獣と特徴の違う生き物に対して虫偏を使う傾向があったみたいです。 蝙の扁は「平べったい」、蝠の畐は「へばりつく」という意味があるようで「平べったくて壁にへばりつく生き物」という特徴からこの字があてられたのでしょう。


 

 ちなみに「虹(にじ)」も虫偏が使われていますが、これは古代中国人が虹を見て、「空を貫く蛇のようだ!」と感じたことからつけられたのではないかと言われています。
 なかなかの詩人ですね。

 

塾長 伊敷

入塾の流れ