音楽
2018年07月07日

街からCDが消える?3

 ネットミュージックの発展により、音楽はプロのミュージシャンの専有物ではなくなりました。
最初は趣味として始めても、それを広めるために動画共有サイトにアップロードし、レーベルの目に留まりプロデビュー、ということも今は少なくなくなっています。
中には、メジャーアーティストよりもそういったネットミュージシャンの作る音楽の方を好んで聴く人たちも存在します。
音楽ジャンルによってはネットミュージックがメジャーのものと同等の人気を博していることもあります。
今回はその中でも、ラップについてお話します。

 

 自分で作ったラップミュージックを動画投稿サイトに投稿したり、ファイル形式で配布したりする、つまりネット上での音楽活動を主軸とする人たちを「ネットラッパー」と呼びます。
彼らの多くは自宅で、自分の機材で曲を作り、動画の形にするなどでネット上にアップロードしています。
最大の特徴は自分のオリジナルの曲を作っていることです。
自分の好きなものについて、嫌いなものについて、挑戦的な内容、ラブソング、人生について…
ラップにはテーマの貴賤がありません。どんな内容でも受け入れてくれます。

 

皆さんはラップに対してどんなイメージを持っているでしょうか?
Yeahとかyoとか言って三本指を立てているイメージですか?
悪口を言い合って怖いイメージですか?
人によって様々あると思います。
ですが、あくまで一つの音楽ジャンルです。ラップとは歌唱法、つまり歌い方なのです。
私はラップを全音楽ジャンルの中で最も自由なものだと思っています。

 

ラップの作詞・作曲の技法のひとつに「サンプリング」と呼ばれるものがあります。
これは自作・他作問わず他作品の一部を曲に組み込むもので、一般的には「パクリ」「剽窃」などと揶揄されるでしょうが、ラップではこれはその作品へのリスペクトとして認識されます。
多少なりとも表現が悪い歌詞もありますが、これは比喩の一部であり、また「自分が一番強い」という自信の表れでもあります。
内容も含め表現の自由が確立されていて、入り口も狭くないこの音楽ジャンルは、ネットでもメジャー同様の人気を持っています。

 

ネットラッパーのメインの活動場所はネットですが、人気・実力が上がるにつれてライブもするようになります。
そこでもネットラッパーとメジャーラッパーが同じステージに立つこともあります。
他のアーティストとのコラボレーションが盛んなジャンルではありますが、長らく現場とネットは交わらないままでいました。
しかし去年にはその壁も破られ、様々な形でのコラボレーションが商用CDですら展開されています。

 

音楽は文字通り「音」を「楽しむ」ものなので、壁は不要であると考えます。
このような入り口の広さや寛容さ、楽しめるコンテンツを日本の音楽シーンに取り入れることができれば、より活性化できるかもしれません。

 

木ノ本雄大

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