実は・・・。関西弁の意外なルール
最近、年を取るごとに自分の関西弁がキツくなっていることに気付いた塾長の伊敷です。
さて、私たちがこよなく愛する関西弁ですが日本の方言の中でもかなり特殊な部類だといわれることがあります。その原因の1つに「動詞の否定形、~へん・~ひんの使い分け」が挙げられます。ナチュラル関西人からすると当たり前に使い分けることができますが、他地方の方からするとチンプンカンプンだそうです。
この「~へん・~ひん」ですが、実は文法ルールに基づいて分類することができるのです!!
(※一口に関西弁と言っても地域によって差がありますので、ここでは大阪広域で使われる摂津弁を基本としてお話しさせていただきます。)
試しにいろいろな動詞の否定形(関西弁バージョン)を挙げてみましょう。
食べへん 走らへん 遊ばへん 見いひん 書かへん 取らへん 飲まへん
着いひん 泳がへん 習わへん 持たへん 増えへん 起きひん 落ちひん
圧倒的に~へんパターンのほうが多いですね。では、レアパターンである~ひんに注目して見てみると。
みいひん きいひん おきひん おちひん
すべて~ひんの前がイ段の音になっています!
なるほど、手前が「い」の発音の時にだけ~ひんになるのですね。
これは国語の分類でいうところの「上一段活用」と呼ばれるグループなのです。日本語の動詞は「上一段活用」「五段活用」「下一段活用」「か行変格活用」「さ行変格活用」の五つに分けられるのですが、上で挙げている動詞のうち、~へんになっているのは「五段活用」「下一段活用」の動詞で、~ひんになっているのは「上一段活用」の動詞だけなのです。
ちなみに「か行変格活用」は“来る”「さ行変格活用」は“する”だけなのですが。
来る→来いひん(きーひん)来えへん(けーへん)
する→しいひん せえへん
なんと!!この2つだけは~へん・~ひん両方が使えるのです!!
意外とよぉ出来とるぞ!関西弁!
塾長 伊敷