数学
2018年11月19日

義務教育では習わない数学を大人だから学ぶ

第25回 日本数学オリンピック予選 第二問より

~6000の正の約数であって平方数ではないものはいくつあるか~

 

記念すべき第一回目の問題は平方数の問題です。難易度は平易で、おそらく数学オリンピックでの正答率は100%でしょう。

しかし、数学的思考力を養うにあたっては非常にわかりやすく良問であるといえるので数学初心者の方も以下の6題を解き、数学的思考とはどういうものかを段階的に理解しましょう。

 

今日は以下のうち5番目の問いを解説します。

 

1.204を素因数分解しなさい。

2.50の正の約数をすべて答えなさい。

3.50の正の約数の個数を求めなさい。

4.を簡単な形に直しなさい。

5.50の正の約数かつ平方数はいくつあるか。

6.6000の正の約数であって平方数ではないものはいくつあるか。

 

 

5.50の正の約数かつ平方数はいくつあるか。

 さて、とうとう数学オリンピックの問題に近づいてきました。すこし難易度は上がりましたが定義から解法の旅に出かけましょう。

 

 まずは定義の確認から。

           平方数…ある整数を2乗したもの。

 問4で使った知識がここに活きてきますね。

 

 次に約数を判別しましょう。

 

50を素因数分解すると

50=2×52

 

 となり、約数は

20×50、21×50、20×51、21×51、20×52、21×52 

 になります。

 

 これらをすべて整数にすると

1.2. 5.10.25.50

 になり、平方数は1と25のみなので、平方数の個数は2と言えます。

 

 ただ、この解法は数字が小さければ通用しますが、大きければ通用しません。もっとスマートに問題を解きましょう。

 

 ここでも定義から解法を紐解きます。

 

 平方数の定義はある数を2乗したものです。

 そして、因数分解した数字の指数がすべて偶数であれば必ず平方数になります。

 例)100=10×10=22×52

 

 また、50の約数は

20×50、21×50、20×51、21×5、20×52、21×52 

 となります。

 この中で指数が偶数を含む選び方なのは20×50、20×52、21×52の3つのみです。また、21×52は2を底としたとき指数が1であり偶数ではないので平方数ではないことがわかります。つまり、平方数は20×50(=1×1=12)と20×52のみということがわかります。

 

 ただ、これでもやはり数字が大きいと対応が効きません。もっともっとスマートに考えましょう。

 

50の約数で指数を文字で表すと

2a×5b (a=0,1  b=0,1,2)

 といえます。

 

 この中で積が平方数になる指数の選び方は

a=0かつb=0or2

しかありえません。

 

 つまり、2を底とした場合1通り、5を底とした場合2通りとなります。そして、それらは同時に起こり得るので選び方の総数は積の法則より

1×2=2

 と求められることがわかります。

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